2018-09

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奇麗でいること。

第0回リアを拝見してから書こうと思っていた、アデリーのプラリア。

世界崩壊前のアデリーの日常、世界崩壊後の今の心境を、
リアでいただいた描写も取り込みつつ、コンパクトにまとめてみました。

第0回リアと第1回アクションの狭間、その心境、みたいな小咄です。

以下に折り畳んでおきますね。

 * * *

 家では、料理も裁縫もさせてもらえなかった。

『そんな真似をして、怪我でもしたらどうする?』

 手伝うことを許されたのは、簡単な掃除や片付けくらいだ。それでも、父の絵の道具は一切触らせてもらえなかった。絵の具も油も手がひどく汚れるし、ものによっては毒物同然で、それで手肌が荒れるようなことがあってはならない、などと言って、父はわたしを絵の道具から遠ざけた。
 けれど、それなら尚のこと、わたしたち二人は父の絵によって日々の糧を得ているのだから、わたしの手より画家である父の手こそを大事にするべきなのではないか。そう考えたアデリーは一度だけ父にその思いを伝えてみたが、聞き入れては貰えなかった。

『奇麗でいること、それが、お前の仕事だ』

 それが答えだった。それ以外は何もするな、と言わんばかりの。
 画家の父とモデルのわたし、それが仕事だと言われれば、わたしはただ“そう”あるしかない。
 わたしの部屋に窓がないのも、わたしを外へ連れ出さないのも、わたしを日焼けさせないためなのだと思っていた。

 けれど、本当にそれだけだったのだろうか?

 それに、王宮の広間に飾られていたという、わたしの知らない父の油絵。
 知り合って間もないエドワードの記憶を呼び起こすほど、わたしによく似ていたという女神。
 それが妙に気にかかって、考えれば考えるほど、いろいろが、わからなくなってくる。

 いつも決まった時間に睡眠をとるようにしていたアデリーだったが、どうにも寝付けず、ふうっと大きく息をはいてからペットボトルの水を飲み干し、ひとりシェルターの外へ足を伸ばした。

 真っ暗な空に浮かぶ、月と星。
 空はこんなにも美しい。
 太陽の輝きも美しいけれどあれは些か眩しすぎて、どちらかといえば、夜空の月明かりのほうが好ましく思う。延々と広がる砂漠も夜のほうが、昼の灼熱が抜け切らないでいるその仄かな温もりが素足に心地よい。

 そうして数十歩足を進めたところで、アデリーはぱたりと砂の大地に背を預けた。
 にわかに舞う砂埃を避けるように瞳を閉じ、呼吸を止め、月も星もない暗闇の中、あの日から行方の知れない父の姿を思い浮かべる。

 こんな砂漠の真ん中で砂埃にまみれるわたしを見たら、父は何と言うだろうか?

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